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あなたがいたから…


お前がいたから…


貴様のせいで…


お前なんか…


あなたなんか…


貴様なぞ…






消えてしまえ!!






…すべてを俺の責任にする。これが俺の守ってきたものなのか…

判決を下す…被告『秋野龍也』には冷凍睡眠による永久冷凍刑に服してもらう。

ここで異議を唱えたところで結果が変わるわけではないのだろ?なら潔く刑に服そう…

では、これで裁判を閉廷する。



これで…俺は…解放されるのか?…永遠に続くような呪縛から


VANDREAD
the origin
第壱話『出撃』

 

 ぐ、やめろ…やめてくれ…

ん?

 男は眼をあけ、周りを見る。
見て、分かったのは自分が何かの機械の中に入っているということだけだった。

ここは……どこだ……?

寒い……体が動かない……

というか俺はなぜこんな所にいるんだ……?

考えろ…いや……思い出せ…

……そうか、そうだったな…冷凍刑で眠っていたんだったな。

「…身体は…やっと動いたか。とりあえず、なぜ目覚められたのかと、ここがどこなのか確認しよう」

龍也は身体を起こし、ポットから降りる。ポットを見ると、電気系統の部品がショートしていた。

「く…身体がいまいち言うことをきいてくれないな…まぁ、冷凍刑に処せられたんだから仕方ないか。
なるほど、この部分がショートしたからポットが開いたのか。う〜ん…ここはどうやら戦艦の中みたいだな…
けど、あちこちに亀裂が入っている。戦闘の後なのか?ともかく、管制室に行ってこの船の記録を調べるか」

部屋のあちこちには亀裂があり、物が散乱していた。
龍也はその部屋を出て、管制室にいく。

「たしか、この手の艦は、この方角に管制室があるはず」

ほぼ勘で管制室のあるほうと思われるほうへと進んでいく。あたりには、壊れた機械や、壁……遺体などが散らばっている。

それらをどきながら、進んでいく。
3つくらいフロアを進んで管制室につく。

「よし、まずは何年経ったのか確認するか」

キーを押し、コンピューターを起動する。
手際よく操作して何年か確認する。

「あ…ついでに今どのあたりなのかも確認するか。……でたでた。え〜と……はぁ?マジかよ…」

モニターには“July 7 ,2319”と表示されていた。

「俺が…刑に処されて300年も経過していたのか………今何年かは分かった。俺は今どこにいるんだ。何?不明だと?」

モニターは確かに“Unknown”と表示されている。
地球外の星系ということか。近くに星か、船はないかな?

「あった。……大型船か。なんでもいい。ここから離れないと情報が得られないからな。それじゃあこいつの格納庫はと……ちょうど下か」

位置を確認すると、電源を切り、格納庫へと向う。

 格納庫には人型のロボと戦闘機1機が置いてあった。
龍也はそれを見たとき我目を疑った。目をこすり、もう一度それを見る。

「コスモ…」

 そう……それは龍也の愛機…『コスモセイバー』と『コスモジェット』であった。

どうしてこれが?俺は確かにこいつを……

と、その時格納庫の壁が崩れる。
そこから蜘蛛型のロボットが出現した。

「悩んでる暇はないな!」

龍也は急いでコスモセイバーのコクピットに入る。
蜘蛛型のロボットはコスモセイバーに向って糸を吐く。
糸でコスモを縛り、締め上げる。

「なんなんだよ、こいつ!だいたいなんでこんなでかい奴がこんな船の中にいるんだよ!?くぅ…早く、システムを起動させないと…」

ギシ…ギシ…

装甲がきしむ。

「くそ!システムが起動しねぇ!このままじゃ装甲が!」

蜘蛛ロボは締め付ける力をさらに強める。

「やばいな……。頼む、起動してくれ!」

バンバンとディスプレイを叩く。
機械は叩けば直ると…よく言うがそんなことはない。
龍也もそれにかけてみたが、システムが起動するようなことはなかった。

「マジでやばいって!…どうする……そうだ!もし、これがあのコスモセイバーならアレがあるはず!」

龍也は右にあるコントロールパネルを上にあげる。

「あった!」
そこには“COSMOJET SYSTEM ON”とかかれたスイッチがあった。
それを押すと、いままであったコントロールパネルが収納され、違うコントロールパネルが出てくる。

「頼むぞ…ジェット。動いてくれ!」

レバーを倒し、システムを起動させる。

ブン…

コスモジェットの先端にあるライトが緑色に点灯する。

「よし!機動成功!…ウェポン検索…コズミックキャノン…か。これならやれるはずだ!コズミックキャノン発射!」

コスモジェットの両端にあるキャノン砲を蜘蛛ロボに向ける。

ズゴオォォォォォッンッ!

キャノン砲から放たれたエネルギーが蜘蛛ロボを貫く。

「あ!しまった!!ミスった!!」

龍也は自分のした過ちに気付いた。
 蜘蛛ロボを倒したのはいいが、この船の動力部にまで攻撃を貫通させてしまったのだ。
動力部を中心に爆発していく。その爆発は格納庫のすぐそこまで来ていた。

「逃げないと、爆発に巻き込まれる!…うそ!コスモジェット今のでエネルギー切れだと!?ふざけんなよ!!」

コスモジェットのエネルギーが切れたため、コスモジェットを使って逃げることはできなくなってしまった。
そして格納庫にまで爆発が!

「くっ!俺は死ぬのか…嫌だ…こんなところで死ぬのは…うわあぁぁぁぁぁっ!」

…バゴオォォォォォォォォンッ!!

爆音と共に船が爆発する。







 …ん…ここは…俺は死んだのじゃないのか…
確かに爆発に巻き込まれたんだ…
それに俺はコスモのコクピットにいたはず…
ここは…どこだ…

そこは緑色の粒子が飛び交う次元だった。

“…ヒック…ヒック…”

泣き声?人がいるのか?

“…ヒック…ヒック…”

どこだ?と思って探す。

 その声の主は龍也の後ろにいた。
髪は青色…いや水色だな…の6歳くらいの女の子だった。
龍也はその子の前にまわる。

「どうして泣いてるのかな?」
“…寂しいの…”
「そうか…俺の名前は龍也。秋野龍也だ。君の名前は?」
“…メイア…”
「メイアって言うのか。メイアはどうしてここにいるの?」
“……わからないの…龍也はどうしてここにいるの?”
「俺?俺か……。俺もわからないな〜。船の爆発に巻き込まれて、気付いたらここにいたからな〜」
“そうなの?”
「ああ。まったく災厄だよ…」

そう…アレから考えれば…悪いことばかり続くよな…

“…どうしてそんな顔するの?”
「えっ?」
“どうして…そんな辛そうな顔するの?”

春奈!?いや…そんなわけない…。それより、表情に考えてたことが出るなんて…

「そんな顔してた?」

一瞬メイアが春奈に見え、目をこすりながら答える。

“うん、してた”
「大丈夫。なんでもないからさ。それより、ここから出るにはどうしたらいいか知ってる?」
“え…どこかいっちゃうの?”
「ああ…俺は確かめたいことがあるんだ」
“確かめたいこと?”
「そう…俺が守ったものがどうなっているのか…見てみたいんだ」
“そう…”
「メイア……君も一緒に行かないか?」
“わたし?”
「ああ、一緒に行かないか?」

メイアは少し困った顔しながら答える。

“ごめんなさい。わたしはここからでられないの”
「でられない?どうして?」
“私は…メイアであってメイアでないから…”
「え…」

それまで幼かった声が、急に大人の声に変わり驚く。

“さぁ…行きなさい…秋野龍也…そして貴方の成すべきことをしなさい…”
「君は一体…」

メイアは龍也の頬に手を置く。
そうすると龍也の身体は白い光に包まれていく。

“行きなさい…精霊士秋野龍也…私……メイアをお願い…”
「えっ!うわあぁぁぁ!」

そういい、メイアが消えたとたん、龍也はその空間から飛ばされる。




「はっ!……今のは……夢?いや…あの暖かさは…夢なんかじゃない…」
「気がついたようだな…」
「誰だ!」
「心配するな…私は医者だ」
「医者?確かに白衣は着ているな…。俺は一体どうなってたんだ…?」

 爆発に巻き込まれて―変な空間にいて―メイアという女の子と話してたら…
それからどうなったのか分からないんだった…

「すまない、俺はどうなってたんだ?」
「君は宇宙空間に人型の機体と、戦闘機と一緒に漂流していたところを私たちが救助したのだ…」
「そうだったのか…礼を言おう…ありがとう。俺は秋野龍也だ」
「私はドゥエロ=マクファイル…」
「ドゥエロ、ここはどこなんだ?」
「ここは…」

そう言おうとしたとき、部屋に一人の老人が入ってきた。

「ここはニル・ヴァーナさ」
「ニル・ヴァーナ…」
「お頭…」
「あたしはマグノ=ビバン」

龍也はマグノを見たときから、身体の筋肉が緊張していることに気付いた。

ただもんじゃいな…この婆さんは。気をつけよう。

「秋野龍也だ。……助けていただいてありがとうございます」

ベッドに上半身を起こしたままで、礼をする。

「いや、気にすることじゃないさ。しかし、あんた…どうしてあんなところで」

とマグノが話そうとしたとき

バシュ…ズザー

扉が開き同時に人がなだれ込んでくる。

「いたた…もう!ディータが押すからでしょ!?」
「違うもん!バーネットが〜」
「あんたたち!いいからこのジュラ様の上からどきなさいって!」

ガヤガヤ…
この船のクルーだろうか?盗み聞きとはよくやるもんだな。と、
龍也もマグノもドゥエロも呆れて何も言えなかった。

「どうします?さっきの話は?」
「ふ〜…またあとでいいさ」
「そうしましょう…で、この人たちは?」
「この船のクルーさ…」
「…随分…個性的なクルーみたいですね」
「そうかい?なんせあたしたちは海賊だからね」
「海賊!?」

と、マグノと龍也が話していると、そのクルーが話しかけてきた。

「わ〜宇宙人さんと一緒だ〜」

茶髪の髪の女が龍也の写真を取り捲る。

「そりゃこいつも男だからね」

茶髪の女の隣にいた紫を基調とした服を着る女が言う。

「なんか、センス悪いはね」

金髪の露出度の高い服を着た女が、まるで品定めをするかのように話す。

「あのな〜初対面の人間にいきなりそんなこと言うのかよ…」

龍也は少し怒りながらその女たちのほうを向いて言う。

「そうだった!自己紹介してなかったね。私ディータ」
「バーネットよ」
「ジュラよ」
「そっちのは?」
「俺か?俺はヒビキ=トカイだ」
「バード=ガルサスさ」
「メイアだ」

メイア!?あの子と同じ名前だ…それに感じもよく似ているし…
髪の色とかも同じだ…これは一体どういうことだ…

「どうかしたか?」
「え、いやなんでもないよ、ドゥエロ。俺の名は秋野龍也。よろしく」
「それじゃあ、ゆっくり休んでおくれ」

そう言うとマグノは部屋から出て行った。




数分後…
 医療室は大勢の人でたくさんだった。

「で、龍也はどこ出身なんだ?」
「俺か?300年前の地球」
「地球!?」

地球という言葉を聞くと、回りのクルーがざわめく。

「地球がどうかしたか?ちなみに俺は300歳じゃないからな。冷凍睡眠してたからな…。あれから地球はどうなったのかな〜……」

龍也は天井に腕を伸ばしながら話す。
ふと龍也は疑問に思った。どうして“地球”という言葉を聞いただけでざわめくのだろうと…

「…お前たち…地球がどうなったのか知ってるのか?どうなんだ、ヒビキ」
「……ああ、知ってる。俺たちは今、地球と戦っている」
「地球と戦っている……か。ヒビキ、詳しく教えてくれないか?」
「分かった」




「なるほど…。地球は自分たちが生きるためだけに、臓器、皮膚などを他惑星から狩る…刈り取りを実行しているというわけだな」
「ああ、そして俺たちはそれと闘うために母星に戻る旅をしてるんだ」
「そうか……なに考えてんだ、地球の奴は」

 自分が命をかけて守った地球…正確には春奈が守ったんだが…
その地球が狂ったことに酷く龍也の心は傷ついた。

「(………ん?何だ、誰かが俺を見ている?)」

 龍也は人の視線を感じた。龍也の周りにはヒビキたちがいるから、その視線だと思ったが、
それ以外のものだということに気付いた。

「(誰なんだ?)」

龍也はあたりをくまなく見渡す。しかし、それらしいものを見つけることはできなかった。
その行動に周りの者も気になった。ヒビキが尋ねようと思い声をかけようとするが、メイアが先に尋ねた。

「何をしてるんだ…?」
「いや、誰かに見られてるような気がするんだ…もちろんメイアたち以外のね」
「侵入者か?」
「(いなくなったか…)ごめん、どうやら俺の気のせいみたいだ」
「そうか?んじゃ俺は相棒のところにでも行くかな」

そう言うとヒビキは部屋から出て行った。

「あ、宇宙人さん〜ディータも行く〜」

それに続くようにディータもヒビキについていった。

「ふぅ…じゃあ俺もすこし寝させてもらおうかな……」
「そうだな…君の体力はまだ完全に回復したわけではないしな…」
「じゃあ私たちも持ち場に戻りしょ」
「ジュラはお風呂に入ってくるわ」
「では、私は部屋に戻って休むとしよう」
「龍也、何かあったらそこのボタンを押して、私を呼んでくれ」
「ああ、分かったよドゥエロ」

 皆散り散りに部屋を出て行く。
そして、龍也は深い眠りについた。

 

 龍也が眠ると同時に部屋の壁が歪み、一人の男が出てきた。

『…奴が目覚めるとは計算外だったな…。まぁいい。これぐらいのことなら許容範囲内だ』
「おい、いつまで俺を見ている気だ」
『な!?』

男が振り返るとそこには龍也がたっていた。

『貴様はここで眠っていたのでは!?』

男がベッドの方を見ると、そこに龍也はいなかった。

「誰だ?お前は?目的は何だ?」
『貴様に答える必要は…ない!』

男はそう言うと、龍也に銃を向ける。
龍也は平然としている。銃を持つ男の手が震えていたからだ。

「そんなに震えてたら、狙いをはずすよ?」
『フフ…そうだな…それにこんな銃ではお前を殺すことはできんからな…ここで私は退くとしよう…じゃあな……精霊使い秋野龍也』

男はそのまま壁に溶け込んで、消えていった。

「何者だ、あいつ」

龍也の中ではいろいろな憶測が出ていた。しかし、今は考えても無駄だと思い、
眠ることにした。

 が…そう簡単に眠ることはできなかった。

“敵機接近中!戦闘クルーはミーティングルームへ!”
「敵襲ね…俺も行くか…」

龍也は部屋を出る。……当然、ミーティングルームの場所なんて分からない。
適当に歩いてたらそこに行く人に会うでしょ…と思いとりあえず歩くことにした。
運良く、ヒビキと会うごとができ、無事たどり着くことができた。

「そろったな。まずこの映像を見てほしい」

説明をしているのは、ブザム。
 見せられた映像に龍也は驚いた。周りの者も驚いたが、
その驚きとは違う。ヒビキたちは自分たちの知らない敵だから驚いたのだ。
だが、龍也はその敵を見たことがあったので驚いたのだ。

「(アレは…アーマードフォース……どうしてアレが…)」

周囲の驚きをよそにブザムの話は続く。

「これは見たことのないタイプの敵だ。おそらく、刈り取り部隊のものだと思うが、どれほどの力を持っているのか分からない。用心してかかるように。メイア、出撃メンバーは?」
「はい、私と、ジュラ、バーネットのAチーム。それにヴァンドレッド・ディータ。あと…」

メイアが次ぎのメンバーを言おうとしたとき…

「俺も闘わせてほしい!」

龍也がメイアに出撃許可を求める。

「お前が闘うのか?」

ブザムが龍也に問う。

「ああ、その映像の敵のことを俺は知っているからな」
「で、闘うにしてもお前の機体はないじゃないか」
「ある!俺を保護したときに一緒に回収した機体があるんだろ?それを使う!」
「いいだろう。許可しよう…あとで私からお頭に言っておく」
「ありがとう」

龍也はブザムに一礼した。

「じゃあ俺から、映像の機体について説明させてもらってもいいかな?」
「ああ、頼む」

メイアが龍也に場所を譲る。

「ありがとう。……えと、この機体はアーマードフォースという、機体だ。見れば分かるが、人型タイプで、全長は20M前後だ。この映像の機体は格闘戦を特化した機体で、腕には高出力のビームソード。肩には隠し腕がある。膝にはレーザーナイフが装備されている。まぁ格闘戦タイプだから、遠距離から攻撃すれば問題ないんだが…。次に、この奥にいる、砲台を背負ってる機体だが、これは遠距離からの攻撃を特化した機体だ。
こいつは格闘戦に持ち込めば楽勝だ。こいつには接近戦の武器はないからな。ただ……」
「ただ……がどうしんたんだ?」

ヒビキが次を話すよう促す。

「ただ……俺が眠ってる間に改修されてるかもしれないということだ」
「だからそれがどうしたんだ?」
「あ〜だからなヒビキ…」
「つまり、お前の知ってるものとは別物になってる可能性がある……ということか」

メイアが龍也の言いたいことを代弁する。

「そういうこと。俺が今言ったのは、300年前の話だ。今はどうなってるか分からん。だから全くの別物と思って闘わないといけないと思う」
「では、他にBチームとCチームのメンバーも出撃だ。各自戦闘準備に当たってくれ。解散だ」

 ブザムの声にクルーは“了解”と答え、各自自分の機体に向う。
 龍也は自分が乗る機体のチェックをしに格納庫に向う。

 格納庫には既にヒビキがいて、自分の機体の整備をしていた。
龍也もヒビキに工具を借りて、自分の機体の整備を始めた。

「なぁ、龍也。その機体ってさお前のなのか?」
「うん…ああ、そうだ。俺と一緒に闘ってくれた相棒さっ…」
「へ〜…なんて名前なんだ?」
「こいつか?こいつの名は、コスモセイバー。“銀河の剣士”という意味だ。ちなみ造語だ」
「そうか。どれくらいそいつに乗ってたんだ」
「どれくらいかな…。ん〜1年だな」
「1年しか乗ってないのか!?」
「ああ、そのあとはいろいろあったから。あっと、すまないヒビキ、コクピットの調整をしたいからちょっと手伝ってくれ」
「分かった」

ヒビキは蛮型から降りて、コスモの方へ移動する。
とその時…

ドゴォォォォォッン!!

「なんだ!?」

衝撃音にヒビキは驚いた。

「敵襲か!?」
“敵襲です!各クルーは持ち場に戻ってください!”
「出撃だな、龍也!」
「ああ、邪魔にならないよう闘うよ」

2人は自機のコクピットに入り、システムを起動させる。

「ほんじゃあ、いっちょやったるか!」

ヒビキのSP蛮型が勢いよく出て行く。

「秋野龍也、コスモセイバー出撃する!!」

続いて龍也も発進する。

 2人が出撃したあと、すぐにメイアたちも出撃した。

「宇宙人さ〜〜んっ!」

ディータのドレッドが、ヒビキの蛮型に接近する。

「うしっ!合体だ!!」

 ヒビキの蛮型とディータのドレッドが緑色の光に包まれる。
光が消えるとそこには青いクリスタルの巨人がいた。

「これがヴァンドレッド・ディータなのか…」
「そうだ。では、龍也は私たちAチームについてきてもらう。Bチーム・Cチームはニル・ヴァーナの護衛だ」
「ラジャー!!」

 そして、戦闘は始まった。

「へ〜龍也も戦闘に出たのかい…」
「はい、お頭。敵のことを知ってるようでしたし、素人というわけでもなさそうだったので」
「まぁ…素人ではないね。あいつは戦闘のプロさ…。たぶん、腕はメイアと互角かそれ以上だね」

 まるで、龍也のことを何でも知ってるような感じでマグノが話すので、ブザムは疑問に思った。

「どうして、お頭はそんなに龍也のことを知っておられるんですか?」
「フフ…まぁ近い内に話してあげるよ…」
「はぁ…そうですか、では楽しみにしてます」

ブザムは話をはぐらかせられた様な気がして、ならなかった。

 

第弐話  『銀河の皇帝』 に続く

――あとがき――
 長…ていうか長すぎ…。もっと話を詰めればよかったかな?
最初書いてたのとはだいぶ変更しちゃったけど。
ともかくヴァンドレッド、第壱話完成です。
ストーリー的には、第一部が終わってセカンドに入る前ぐらいからスタートです。
で、セカンドの最後まで書きたいと思ってます。基本的には龍也を中心に行きたいと思います。
 あと、この話は精霊伝エターナルカイザーの続編に当たる話です。
しかし!これをUPしてるときにはまだ1話しか書いてない!
なのに、これをUPしてます。続編に当たるといっても、ネタバレにはならないんで。

※なぜなら、これをUPしてから暫くはこの作品を執筆しないから。